COLUMNお役立ち情報
産業廃棄物適正処理
総合判断説において一番重要視される『取引価値の有無』とは?? ②
売却したら全て有価物?
前回の無償引き取りのコラムで、売却すれば全て有価物となり、廃棄物処理法の対象外となるのか?そうではありません!といった話を少ししました。
今回のコラムは、『総合判断説』です。
5つの判断要素を総合的に勘案し、廃棄物になるのか?有価物になるのか?判断します。
5つの判断要素はこちらのコラムでご確認下さい。≪産業廃棄物処理業者や雑品スクラップヤードの不適正保管による火災が多発!≫
この総合判断説は、裁判でも実際に使用されています。
しかし、総合判断説は非常に曖昧で、
・世の中的にどう扱われているか?
・占有者の意思はきちんと示されているか?
・物の保管状態はどうか?
等、世間一般的に第三者から客観的に見た時に、廃棄物と見えるのか?有価物と見えるのか?
また、生活環境上支障はないのか?が焦点となります。
どうでしょうか?とても曖昧ですよね?
そこで、一番実務的に分かりやすく判断しやすい要素として、よく用いられるのが『取引価値の有無』です。
一番分かりやすい判断:取引価値の有無!
では、『取引価値の有無』の定義をみてみましょう。
占有者と取引の相手方の間で有償譲渡がなされており、なおかつ客観的に見て当該取引に経済的合理性があること
これだけだと分かりにくいですよね?
図解すると、以下のような意味になります。
この考え方だと分かりやすいんじゃないでしょうか。
売却した値段と運搬費と比較して、どちらが高くなるかで判断が変わるということです。
気を付けなければならないのは、運搬費や売却費が常に一緒ではないという点です。
・運搬する距離や燃料の変動によって運搬費が変わる
・売却費が変動する(金属類の価格も日々変動している等)
このようなことが起こります。なので『前回いけたから大丈夫』という考えはとても危険で、毎回運搬費と売却費を比較して判断する必要があります。
運搬費が売却費より上回る場合、通常『逆有償』と言われ、運搬の部分のみ廃棄物として扱うと決めて運用している排出事業者や処理業者も多くあります。
もちろん、この取引価値の有無だけで判断されるわけではありません。
しかし、実務的に分かりやすいので、廃棄物か有価物か判断する1つの基準としては如何でしょうか。
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